中学3年生の夏休みから週1~2回で1回に2時間。時給1500円で近所の女子大生が家庭教師をしてくれていました。
中学時代の私の学校は、いわゆる荒れた学校で、私の友人もそういう人が多かったです。影響を受けやすかった私は、やはり先生に反抗してみたり、授業をさぼってみたりしていました。しかし幸いなことに、親が厳しかったので部活をやめる事が出来なかった為、本当の意味で道を外すことはありませんでした。
ただ、授業を聞かず部活も朝練から夜遅くまでどっぷりでしたので、勉強するという事をしていませんでした。試験前には部活は休みになるのですが、勉強の仕方が分からずただ悶々とした時間が過ぎて行くような状況でした。3年の夏休み前に部活を引退したときには絶望的な成績でした。
どのような成績かといえば、2年の終わりに私の住む市の中学2年生が全員受けるテストで、その時点でその市のどこの高校に行けるかというものがでるのですが、どこにも行けないというのです。親は大変なショックで、発狂しそうな勢いでしたが、その時の私は事の重大さが分からずにいました。
夏休みになって、何とか高校に行ってくれと、親から猛烈に言われましたが、なぜ行かないといけないのか、どうやって勉強したらいいのかわかりませんでした。それを親に言うと、知り合いに頼んで近所の女子大生を連れてきました。
その頃の家庭教師の平均は2時間で4000円くらいだったそうですが、その人は将来学校の先生になるという事で、練習にもなるからと、2時間3000円で引き受けてくれました。また夏休み中は週2回で宿題もたくさん出していきました。初めのうち2週間くらいは坦々としていましたが、どうしても気持ちがついてきません。
お盆休み明けに先生にそのことを告げると、一緒に図書館へ行こうと言われました。図書館では、朝一から閉館まで自習室に学生たちがたくさんいました。少し焦る気持ちが生まれて、その後先生と、将来何がしたいのか、なぜ勉強しないといけないのか等様々な話をしました。そのときから、勉強ができるようになったわけではないのですが、少しずつ勉強しないといけないという気になっていきました。
宿題は受験用というよりは、小学生というか、中学1年生の頃の内容から少しずつ難しくなって行きましたが、先生との時間はそれらを理解したうえでの発展問題みたいなものがほとんどでした。しかしたまに、歴史の裏話だったり、歴史の人物像だったり、現代社会の動きを面白おかしく話してくれたりして、勉強に入る前の段階として、興味を持たせてくれたり、環境や政治の問題を解決するためにどうしていったらいいかをシュミレーションさせられたりしました。今思うと、とてもすごいことを言っていたというか、無知は無知なりに頭と心を鍛える訓練をしていたなあと思います。
そうこうして10月くらいから本格的に受験勉強に入りました。それまではウォーミングアップだったのでしょう。その時からの詰め込み方というかスピードは、例えるなら100メートル全速力を100本走ったくらいのものだったと思います。よく息切れしなかったと思います。人生の中で、一番集中していました。冬の3者面談前には中間クラスの高校へ行けるまでになっていました。
私立は中堅の高校を受け合格。その高校でもよかったので、公立は思い切って上の学校を受けてみました。やはり見事に落ちましたが、後悔はしていません。おそらく、万が一受かっていたら、入ってからが大変だったでしょうから。付け焼刃は付け焼刃でしたので。
私は、高校というか、人生をあきらめていた中学生でした。どこの高校にも行けないと言われていた私が、高校に行けて、なんと大学も行きました。当時を知る友人たちは爆笑しますが、大学では教職課程もとり、出身高校で実習もしました。あの時あの先生に会わなかったら、今何をしていたかと思うと恐ろしいです。その先生は結婚して県外ですが現在でも先生をしていらっしゃいます。私は教職には就きませんでしたが、会社で人を教える立場にいます。塾では味わえなかったであろう人と人とのつながり、経験が今の私をつくってくれています。あの時、経済的に大変な中で家庭教師をつけてくれた親と、私を理解し導いてくれた先生に本当に感謝いたします。ありがとうございました。
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