長崎県のY.Yさんの
合格体験記

Y.Yさん
Y.Yさん
九州の帝国大学理学部に合格しました!

合格体験記

小学生のころから女には珍しく理系頭だった私は、地元公立の進学高校では迷うことなく理系コースを選んだ。「理系に進めば、文系科目(社会や国語や英語)は勉強しないで済む」が理由だった。しかし福岡の国立大学受験には理科数学と同比率で英語があると知り、高校2年から親に泣き付いて家庭教師を頼んだ。
化学、物理は学年一番だが、日本史と英語は450番以降。暗記物が苦手だった自分には当然の成績だった。
当時地元大学生だった兄の後輩(医学部)が週一回2時間で来てくれることになった。国立大の医学部である、当然、地頭も要領も良い。始めは先生のペースで指導が始まった。

例文の解説をしてもらい、例題を宿題にもらう。しかし中学校段階から単語も構文も頭に入っていないから、せっかく用意してくれたプリント類も解くだけで身につかない。
真面目さだけが取り柄の私は、辞書を引きながら宿題をやるのだが、終わるとすぐ忘れてしまい、まさに宿題のための宿題だった。当然時間がかかる割には、身につかない。次回までに暗唱するよう言われた例文も間違いだらけ。
3か月ほどたって業を煮やした医学部女史は、「どうやって勉強してる?」と問うた。確かに万能な兄から見ても、妹の私は理数はできる方だったらしい。彼女にも「妹は馬鹿ではない。できる方だと思うんだが。」と伝えていたらしく、彼女も相当遠慮し、我慢していたらしい。

私が「数学や物理と同じく、じっとノートを見つめ、手を動かし、頭にイメージを作りながら文法をパズルのように解いていく我流の勉強法」を伝えると、一言、
「声よ、音読!小学生になったつもりで、大声で読みなさい!座ってないで、歩きながら、風呂に入りながら、音読するの!」
あれれ、やってみると、あれほど覚えられなかった 英語の構文例文が覚えられる!
当に目から鱗が落ちた瞬間だった。

お宅ムード満載の理系腐女子に向かって、こんなアドバイスをくれた人は、それまでにいなかった。17歳の立派な女子高生に向かって、こんな一見バカバカしいアドバイスをする方も勇気が必要だったことだろう。
型どおりに、分厚い参考書を解説して終わり、という楽な方法もあっただろうに、生徒のつまづきを生徒の立場に立って解決してくれた先生には本当に感謝している。

勉強内容ではなく「勉強の仕方」を教えてもらえた貴重な経験だった。
音読で例文を覚えること、音読で単語を覚えること。綴りを「エス、ティ、アール、ユー、シー、ティー、ユー、アール、イー」と口に出しながら覚えること。たったこれだけのことを知らないまま、中一からの4年を無駄に過ごしてしまったのだ。

覚えることができれば、受験英語など、型どおりの例文に単語を当てはめていくだけ。読解はその逆でどの構文を使っているか解読するだけ。数学の問題よりはるかに易しい。英語ってこんなに簡単だったんだ!
苦手意識がなくなるとともに、予習、復習に積極的に取り組むようになった。家庭教師の先生からの宿題も、前日当日にやっと取りかかっていたのが、先生が帰った後すぐに取り掛かるようになった。
学校では、教科書や例文、単語帳が丸暗記できるようになった。毎日の小テストが満点になり、定期テストの点数も急上昇。4月から家庭教師を頼んで10月には実力テストでもまあまあな点数が取れるようになっていた。
その後、英語の成績はコンスタントに学年一桁に入るようになったので、高校3年になった時、先生とはお別れした。

この「大声で音読」は、現国、古文、漢文、日本史の勉強にも役立ったように思う。
要は、自分にとって暗記科目に向いている方法だったのだと思う。
化学や生物、物理は、意外に語呂合わせの暗記方法が巷にあふれているものだが、
国語の語呂合わせなど存在しない。世の英語や日本語の語学得意者にとって語呂合わせなど必要ないのだろう。語呂合わせの代替が、大声での音読だったのだ。


志望校はセンター試験4割、2次6割で、英語の配分は25%だった。数学の大設問5問のうち2問は落とす覚悟だったので、英語も非常に重要だった。
家庭教師をお願いする前だったら、0点確実だった英語だが、5割は取れたように思う。
リスニングはボロボロだったが、長文読解と英作文で稼げた。

だがのちになってそれ以上に重要だったのは、入学後の授業での英語の重要性だった。
・数学の授業をドイツ人が英語でやっている
・配布される教科書の半分が英語の原著のまま
・研究室に配属されると留学生がウジャウジャ
・実験レポートは英語で提出

もし英語が苦手なままであったら、ノイローゼで退学していたことは間違いないだろう。

恥ずかしがらずに基本に戻って声に出す、音読する、大声で繰り返す、動きながら体と脳にしみこませる、
どの語学にも通ずる万能の勉強方法を教えた頂いたおかげで、第二外国語も、就職してからの赴任先でも、何とかやって来れた。

あの時教えてもらったのは、英語ではなかった。
自分には出来ないと思えても、バカバカしいと思えるくらい基本に立ち返って、恥ずかしがらすに、愚直に努力する姿勢だったのだ。

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