福岡県のA.Sさんの
合格体験記

中学校３年の夏、家庭教師の先生に夏休みの間だけお世話なりました。

私は小学校時代から、勉強が得意なほうではありませんでした。中学校に入ってからは、部活にのめりこみ、勉強は一切せず。中学校３年になって進路指導を受けたときに、「君がいける公立高校はないよ」と先生に言われるまでに成績は落ち込みました。

３年の夏休みを前に、私の部活生活は終わりました。それとともに、受験にむけての生活が始まりました。といっても、本当に勉強ができません。何がわからないかも、わからない状態。そこで、母が家庭教師を連れてきました。それは知り合いのお姉さんで、福岡県では有名な進学高をその年の春に卒業された方でした。私も小さい頃遊んでもらった記憶がある、良く見知った方でした。

家庭教師の期間は、夏休みの間のみ。授業内容は、学校の夏休みの宿題のワークを一緒にやっていき、塾に通う準備をすることでした。母は私の成績が悪いので、いきなり塾に通わせるのは難しいと思い準備をさせたかったようです。

初めての授業、思春期まっただ中で反抗心もあった私は、先生から何を聞かれても「わからない。できない、」の一点張り。先生は困ったと思います。それでも、「そうだよね。難しいよね。」と私を一切否定せずに、丁寧に教えてくれました。授業は学校の宿題のワークが中心でしたが、時には先生がオリジナルのプリントも作ってきてくれました。今思うと、５教科すべてのオリジナルプリントを作るのはとても大変だったと思います。

数学のプリントでは、簡単な計算問題とちょっと難しい２次関数などの問題を作ってきてくれました。私のレベルに合わせてのプリントだったので、とてもやりやすかったです。国語では、先生がオススメする本を貸してくれました。ライトノベル以外の小説なんて読んだことのなかった私でしたが、内容が面白く、すぐに読んでしまいました。その後、勉強の合間に読書をするようになり、知らず知らずのうちに、漢字が読めるようになりました。ちなみにそのまま読書が趣味になり、高校３年の頃には現代文の学力がものすごくつきました。

授業の合間には先生が高校生だった頃の話もしてくれて、高校生活に興味が湧き、だんだん高校へ行きたいという意欲がでてきました。夏休みも終盤に入った頃、全く理解できてなかった２次関数の問題が初めてできた時には先生もいっしょに喜んでくれて、本当にうれしかったです。このとき、初めて「勉強が楽しい」と心から思いました。今まで、ぜんぜん出来なった２次関数。その問題が解けたことで、勉強に対する自信がでてきました。

勉強することが少し楽しくなり何が苦手かわかるようになった頃、夏休みが終わり家庭教師の契約期間が終わりました。その後、塾に通い始め成績も上がりました。勉強のコツが少しわかってきていたので、塾の授業もそんなに苦労せずに理解することができました。当初は、「その学力で合格できる公立の高校はないよ」とまで言われた私ですが、ぐんぐん成績を上げ、最終的には学区内では上から数えて４番目くらいの公立高校に合格判定Bがでるようになりました。担任の先生もびっくりです。

そして、３月。無事に、第一志望の公立の高校に合格しました。家庭教師の先生に連絡すると、自分のことのように喜んでくれました。１ヶ月半の間、家庭教師の先生に教えてもらわなければ合格はできなかったと思います。始めは、勉強なんて嫌いだ。高校なんていかなくていい。そう真剣に思ってました。そして先生に対する態度も横柄で、失礼ばかりしてました。宿題をだされても、しなかったり。授業のために先生が家に来てくれたのに、寝ていたり。

しかし、先生はそんな私を見捨てることなく、やさしく指導してくれて、高校へ行きたいというモチベーションを上げてくれました。勉強を教えてくれたことも大切なことでしたが、高校へ行きたいという気持ちを持たせてくれたことが私にとっては１番ためになったことです。やはり人間、動機がしっかりないと行動にはうつせません。

無事、高校に入学した私は、勉強の面白さに目覚め始め一生懸命勉強を始めました。そして、県内でも有名な私立の大学に合格できました。これも、すべて高校受験がうまくいったおかげだと思っています。先生には、本当に今でも感謝しています。