秋田県のM.Aさんの
合格体験記

私は、高校2年まで、野球部の練習に明け暮れる日々を送っていたため、「勉強する」という姿勢が全くできていなかった。勉強がきらいだったというわけではないのだが、周りの友人も、勉強をするという雰囲気ではなかったし、就職活動を始めた友人もいたので、これが普通なのだと思い込んでいた。

だが、2年の3学期に、進路指導の先生に呼び出された。「前に大学に行きたいと行っていたが、本気なのか？このままだとどこの大学にも行けないぞ。」と言われたので、勉強を始めようと思った。しかし、何からてをつけていいのか分からない。教科書を開いたが、どこから復習をすればいいのかも分からないし、教えてくれる人もいない。

最初は、塾に通おうとも思ったけれど、教科書の基本的な問題すら解けず、優秀なクラスメートの子も通っている塾だったので、ここの塾に通ってもおちこぼれになることが分かっていたので、勉強がますます嫌になってきた。大学には行かずに、高卒の経歴だけでもいいかな、と思い始めていた。

そんなとき、母が、家庭教師にお願いして勉強を見てもらったら？と言いだした。勉強もそうだが、知らない大人に部屋に入られるのは嫌な気もして、頼もうかどうしようか随分迷った。迷った挙句、自分で秋田県家庭教師会に電話してみた。電話口で、正直に、もうすぐ高校3年なのに、数学の公式すら暗記してないところがあることを伝えて、それでも大丈夫かどうかを聞いてみた。笑われるかと思ったら、「遅い子は高3の夏休みから始める子もいるので、あなたが一番遅いというわけではないですよ。後は、自分の努力次第ですね。」と言われ、なんとなく気が楽になった。

お金も3万以上かかるというので、母に申し訳ない気もしたが、母が笑いながら「出世払いでいいから、遠慮しないで教えてもらいなさい。」と言ってくれたので、決心することにした。

姉が、知り合いの大学生のお姉さん風の人に家庭教師をしてもらって、大学に見事合格したのを見ていたので、きっと、家庭教師とは、学生の若い男の人が来てくれるのだろうと思っていたら、思い切り予想が外れた。20年以上家庭教師をしているという40代のベテラン先生がやってきたのだ。一緒にキャッチボールができるようなお兄さんを想像していたので、かなり驚いた。さすがに、学生がバイト感覚で教えるような先生とは全く違い、その先生は、私以上にやる気があって、必ず成績が上がるようになるから、と言って、一生懸命教えてくれた。教えてもらったのは、数学と国語の２教科だ。

おかげで、数学は、公式さえ覚えれば、基礎問題は解けるということ、国語の文章問題は、問題の方を一通り見てから文章を読むと解きやすいことなどの「裏技」を教えてくれて、勉強が分かるようになってきて、だんだん楽しくなってきた。もともと、小学生から野球を続けてきたので、根性はあるほうだったので、やるぞ！と決めたからには、とことんがんばった。先生に教えてもらって、成績がどんどん上がっていく手ごたえを感じて、今まで成績が上がらなかったのは、やり方がわからなかっただけだったんだ、と思った。

おかげで無事に、地元の私立大学に合格することができた。合格できたときに、初めて、先生の満面の笑顔を見た。まるで、自分のことのように喜んでくれて、お祝いしてくれた。世の中には、いろいろな家庭教師斡旋所があるようで、教える技術のない学生を平気で派遣したり、家庭教師の派遣料が異常に高額なところがあると聞いたことがある。秋田県家庭教師会の先生は、たまたま、いい先生が来てくれただけなのかもしれないが、本当に勉強熱心で、プロフェッショナルだなと思った。

ただ、私は成績の悪い生徒だったけれど、先生が学生の頃は自分とは正反対で、小さい頃から勉強が好きで、図鑑ばかり見ているような子どもだったそうだ。だから、もしかしたら、私を教えることになって、基礎問題ばかりを解くはめになって、もしかしたら退屈だったかもしれない。もっと成績上位の子どもを教えたかったかもしれないなあ、と思うと、先生に申し訳なかった気もしている。

家庭教師に来てもらうということは、マンツーマンで教えてもらうことなので、先生と生徒の相性がとても大切なので、先生を決める前にいろいろな先生と面談ができれば、もっとよかったのに、と思ったりもする。とはいえ、無事合格できたのは、家庭教師の熱血先生のおかげである。先生には本当に感謝している。